第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
「寝てるって…翔くんに何したのっ?あなたは誰っ!?翔くんを返してっ!!!」
ヒステリックに叫ぶ僕に、その冷たい女の人の声が言った
『…あの時もそんな様なコト言ってたわよね…
“僕の旦那様を取らないで”…だっけ?』
「……え?」
何の話しして…
『旦那様?馬鹿言わないでよ。あんた、男でしょ?』
「……」
何、この人…どうしてそんなコト言うの?何で…
『悪いけど、あんたの“旦那様”と、あたし寝たわよ』
「……え?」
突拍子のない話に驚いていたら、電話の向こうの女の人が、続けて言った
『彼、あたしと結婚前提に付き合いたいって
だから、抱かせてやったのに、野郎と付き合ってたなんて、馬鹿にするのも大概にして欲しいわ』
「…何言ってるの?あなた」
『だから、彼はあたしを騙したの。キッチリ責任を取ってもらうから、あんた別れてよ』