第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
(…何が、あったの…?)
僕は、ちっとも翔くんと繋がってくれない携帯電話を握り締めて
保養所の部屋の隅っこで、膝を抱えてバカみたいに泣いていた
すぐに戻ると言ったのに、翔くんはなかなか戻って来なかった
僕は昼過ぎまで、大人しくお部屋で翔くんの帰りを待っていたのだけれど
一向に音沙汰がないので、流石に心配になって翔くんの携帯に電話をした
でも、全然繋がらない
僕は、もしかしたら部屋に携帯電話を置き忘れたのかもと思い、部屋中を探してみたんだけど
やっぱり、見つからなかった
それで僕は、宿の人に近くにあるレンタカー屋さんの場所を聞いて其処に行ってみたんだけど
翔くんの姿は見当たらなかった
お店の人にも翔くんが来なかったか訊いてみたけど
そんな人は見掛けなかったと言っていた
それで僕は、もしかしたら翔くんが宿に戻っているかも知れないと思い
急いで部屋に戻ったんだけど、其処には誰もいなかった
僕は、連絡が取れないから部屋から迂闊に出たら、翔くんと行き違いになってしまうかも知れないと思い
それからずっと、携帯片手に保養所の部屋の端っこで、翔くんの帰りを待っていたのだ