第6章 浮気は男の甲斐性? の巻
.
「来てないよな…弟」
今日は智くんのバイトがお休みの日
また弟が襲来してんじゃないかって心配でしかたない…のだが
「電話したら怒られるし」
仕事中に緊急でない電話をしちゃダメと、智くんに釘を刺されてしまって
確認したくとも出来ないでいるもんだから、余計心配が募ってそれこそ仕事が手に付かない(←仕事中に余りにも無意味な電話をかけてばかりいたので、さとちに怒られたらしい(笑))
(何か緊急の用事を考えたらいいのか?)
だが、そんなもの急に思い付く訳もなく
「智くん…帰りたいよぅ(泣)」(←たまには真面目に仕事して下さい)
何かいい言い訳は無いもんかと考えていたら携帯が鳴った
(Σ智くん!?)
仕事中に珍しく智くんからの着信
それこそ何かあったのかと焦って電話に出た
「もももしもし智くん!?
どうしたの?何かあった?具合悪い??怪我とかした???」
『…ごめんなさい…何でもないんだけど…
…翔くんの声がどうしても聴きたくなっちゃって…』
…え?
「具合悪いとかでなく?」
『…うん』
「怪我したとかでなく?」
『…うん』
「なぁんだ!良かったぁあ///」
『……』
「俺智くんに何かあったのかと思って…って、Σささ智くん!?」
(Σ泣いてます!!?)
電話の向こうで微かにお鼻をすする音が聞こえる
「Σどどどしたの?やっぱり何かあったの!?」
『…違うの…御免なさい…余計な心配かけちゃって…翔くん御免なさい…』
「何かあったんだよね?俺に話して?」
.