第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
「どうも、お世話でした」
てんやわんや(笑)の送別会の翌朝
俺と智くんは少し早めに宿舎の部屋を出た
管理人室に寄って、二人分の鍵を返却すると、中から管理人さんが、ちょっと青い顔をして出てきた
「あぁ、どうも…大野さん、昨夜はご馳走様でした」
「いいえ。それより、お加減は如何ですか?」
「いやぁ、年は取りたくないもんですな…酒が残って仕方ないですよ(苦笑)」
管理人さんは情けなさそうにそう言うと、ペチペチと、少し広いオデコを叩いた
「それに、何だか余計な事を言ってしまったみたいで…櫻井さんにも、申し訳なかったですね(汗)」
実は
少し酔いの醒めた智くんに
なんで飲み会の会場にやって来るという、智くんにしては珍しい行動に出たのかと訊いてみた所
管理人さんが
「男ってやつは、浮気をする生き物でね、出張なんてのは、良い口実になったもんですよ!
いや、そりゃもう、浮気し放題でしたな!」
なんて、何の自慢にもならない武勇伝を語り始めたのが原因だったらしい