第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「奥さんを亡くされたんですか?」
僕は管理人さんを食卓の前に案内しながら訊いた
「ええ、五年ほど前に…いや、コレはまた…」
管理人さんは、テーブルの上に所狭しと並べられたら料理を見て目を見張った
「何か張り切って沢山作っちゃって……恥ずかしいですね(苦笑)」
「何を仰ってるんです!
いや、私が新婚の頃だって、こんなに沢山おかずが食卓に並ぶことなんか有りませんでしたよ!」
「そうですか?…でも、僕の場合は半分趣味みたいなものだから///」
「いやいや、それにしても、素晴らしいですな!
いや、櫻井さんが羨ましい!」
「そんなコト…////」
「いやぁ」
管理人さんは料理の前に正座すると、僕の方を見て生唾を飲み込んだ
「…非常に、美味そうですな」
「あ、ご免なさい気づかなくて!
今割り箸を持って来ますね!///」
「いや、すみませんな」
僕は慌ててキッチンから割り箸を持って来て、管理人さんに手渡した
「どうぞ召し上がって下さい。
今、ご飯とお味噌汁を持ってきますね」