第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「…………はぁ」
僕は電話を切ると、テーブルに並べられた料理を見て溜め息を付いた
「……こんなに沢山、どうしよう……」
自分1人では到底食べ切れない量の夕食を前にして、途方に暮れる
(…て言うか、翔くんとお夕飯一緒に食べれないって解った時点で、食欲なくなっちゃったしなぁ…)
だけど、明日の昼前には此処をでる訳で
こんな大量の食事を朝っぱらから、恐らく二日酔いになっているであろう翔くんが、食べ切れるハズないし…
「………どうしよう」
僕は食卓の前にしゃがんで膝をかかえると、自分が作った可哀想な料理たちを眺めた
──コンコン
「すいません。管理人です」
どうしたもんだろうかと、夕飯のオカズとにらめっこしていたら、玄関の方から管理人さんの声がした
「はぁ〜ぃ」
僕はイソイソと玄関へ向かった
──ガチャ
「はぃ、何でしょう?櫻井はまだ戻ってませんが…」
「ええ、それは知ってるのですが、櫻井さん宛てに届け物がありましてね」
管理人さんは手に持っていた小包を差し出した
「明日お帰りの時にでもお渡ししようと思ったのですが、送り主さんから先程お電話で、今日中に渡して欲しいと言われまして…
大野さんがいらっしゃるなら、預かって頂こうかと思いましてね」