第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「いや、彼女はいないけど、よ…」
「やった、ラッキー♡」
彼女はいないけど、嫁はいるって言おうとしたら、その子がガシッと俺の腕を掴んだ
「じゃぁあたし、この後の飲み会で櫻井さんキープしちゃおうっと♡」
「はぁ?飲み会??この後って…」
「恒例なんですよ」
絡みつく腕を外そうともがいていたら、出張先のチーフが話に入ってきた
「こ、恒例って?」
「ヘルプで来てくれた本社の社員さんの仕事満了後に、皆で飲み会するってのがお決まりになってるんすよ」
「え゙」
(おお、お決まりの飲み会だって!?
んなの聞いてねぇぞ、ぶっちょ!!(怒))
飲み会と聞いて難色を示す俺を見て、チーフが慌てて付け足すように言った
「あ、心配しなくても、櫻井さんから金はとりませんから、思いっきり飲んで下さいね!」
「い、いや、そう言うんじゃなくてですね…(汗)」
智くんが…
「大丈夫ですって!
宿舎までちゃんとお送りしますし、明日はどうせ保養所で休暇でしょ?
酔いつぶれても問題ありませんて!」
「そうですよぅ!
それに、行かなくちゃダメなんですよぅ?恒例行事なんですもぉん♪」