第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「じゃあ、キスして下さい♪」
「うん、良いよ♪」
──ちゅ♡
「………何でほっぺ」
「ん?オデコとかのが良かった?」
「………いえ、良いです」(←何処にして貰おうと思ったの?(笑))
「?………じゃあ、僕もう行くね?」
僕はカバンを肩に掛けて、玄関へ向かった
玄関先まで見送りに来てくれた二ノに、もう一度お礼を言う
「ありがとう、二ノ。
……でも、仕事は本当に大丈夫なの?せっかく調理師免許取ったのに」
「大丈夫ですって」
二ノはのんきな顔で頭の後ろに腕を組むと、あくび混じりに言った
「大野くんがバイト行ってる間に仕込みして来ちゃうんですよ。
盛り付けて出すだけなら、あのバカにも出来ますから」
「そうだったんだ…って、二ノ、あのバカって(苦笑)」
「バカをバカって呼んで何か支障がありますか?
んな事より早く行った方が良いんじゃないですか?
…遅刻しますよ?」
ちょっと悪い顔してニヤリと笑うと、二ノが急かす様に手をピラピラ振った
「うん。じゃ、行ってくるね!」
「ほぃほぃ、いってらっさぃ」
僕は、何だかデタラメに手を振っている二ノに手を振り返しながら、玄関出てバイトへ向かった