第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
当初
翔くんの出張の間、一週間お家でお留守番しているハズだった僕は
その殆どを、出張先の翔くんの宿舎の部屋で過ごすことになった
金曜日と土曜日の夜お泊まりして
日曜日の夜、二ノにお迎えに来てもらって一旦帰り
月曜日の夜はまた二ノが家に泊まってくれて
そして今日
…つまり、火曜日の夜には、また翔くんの部屋へ戻ることになっていたのだ
「大野くん、バイトの終わる時間て、この前と一緒ですか?」
「うん」
朝、身支度をする僕に、のんびりカフェオレをすすりながら二ノが言った
「じゃあ、また同じ位の時間に直接バイト先に迎えに行きますね」
「うん。二ノ……本当にありがとうね?」
「お安いご用ですよ、こんくらい」
相変わらず呑気な顔してカフェオレをすする二ノ
(僕が気を使わないように、取り立ていうほどのことじゃないよ、って、顔してるんだよね…)
何だか余計に申し訳ない(苦笑)
「ねぇ、二ノ…何かお礼させてよ」
「お礼ですか?」
二ノは、片肘を付いてちょっと考え込むと、ニヤリと笑った