第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
本当は翔くんにメールで、バイト終わりに、ニノに送って貰って行くって伝えて置こうと思ったんだけど
内緒にして驚かせた方が面白いからって、ニノがしつこく言うので、内緒のまま、翔くんの出張先の宿舎へ向かった
…で、今に至ったと言う訳だ
「すみません」
僕は宿舎に入ると、管理人室を覗いて声をかけた
「……はい?」
暫く間が空いてから、管理人さんが顔を出した
「すいません、僕、出張でお世話になっている櫻井と同居している大野と申しますが…」
「あぁ、この前の!櫻井さんでしたら、まだお帰りじゃないですよ?」
「ええ…それで、お願いがあるんですが、櫻井の使っている部屋の鍵を開けて頂けないでしょうか?」
「良いですよ?この前も泊まって行かれたんですもんね?」
「え?…あ、はぃ///」
前回泊まった日の夜を思い出して、つい赤くなる
「はい、スペアの鍵です。
櫻井さんの出張が終わって、此処をお出になるときにでも、返して下さったら結構ですよ」
「そうですか?ありがとう御座います///」
僕は管理人さんから鍵を受け取ってお礼を言うと、翔くんの部屋へ向かった