第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「じゃあ、日曜日の夜にまたお迎えに来ますね」
宿舎の前に車を横付けにして停めると、ニノが言った
「うん」
僕は車から降りて、ニノにお礼を言った
「ゴメンねニノ、ありがとう」
「別に良いですよ。
こんな用事でもなきゃ、長距離なんか運転しませんから。
じゃ、俺は帰ります」
「うん、本当にありがとうニノ。気を付けてね」
「へぃへぃ」
ニノは軽く片手を上げると、車を走らせて帰って行った
「…さてと、早速お夕飯の準備しなくちゃ♪」
僕は足取りも軽く、翔くんが使っている宿舎の中に入って行った
本当なら
今頃お家でニノと一緒にお留守番をしているハズの僕が、何故翔くんの宿舎に来ているのかと言うと
翔くんが居ない寂しさに、やっぱりちょっと元気が無かった僕を見て、ニノが
「そんな寂しいなら、また櫻井さんとこ行ったら良いじゃないですか。送ってあげますよ?」
って言い出したからだった
悪いから良いと言う僕に、自分も家に帰りたくなったんだなんて、取って付けたみたいな口実を言うニノ
本当に自分は甘やかされてるなぁ、何て思いながら
僕は有り難くニノの好意に甘える事にした