第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「んふふ///」
「ま、後で一応顔だけ出すけどね。…あ、そうだ」
翔くんは握り締めた僕の手をスリスリしながら言った
「後で保養所見に行ってくる?ついでに部屋予約して来ちゃうから」
「うん♪」
それから僕らは思った以上に美味しい海の幸定食に舌鼓をうって、保養所へ向かった
「わぁ……お洒落だねぇ///」
翔くんの会社の保養所は、海辺の温泉街から少し離れた場所にあった
コテージ風の小洒落た建物で
門を入ってから建物までのアプローチは、イングリッシュガーデンを思わせる、色とりどりの草花で覆われていた
「凄いねぇ…綺麗だねぇ…///」
「だねぇ
あ、智くん此処でちょっと待っててね?部屋予約して来るから」
「うん、待ってる」
僕は、手を拭りながら建物に入って行く翔くんを、同じ様に手を振って見送ると
よく手入れの行き届いた草花を眺めた
「良いところだなぁ…浜辺も近いし、早く泊まりたいなぁ///」
(そうだ、泊まるって言えば…)
「智くん、お待たせ!」
「ん?」
全然待ってないよ
ってツッコミを入れたくなるくらい直ぐに、翔くんが戻って来た