第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
僕は抱き潰されながら、何とかバッグからティッシュを取り出して、翔くんの鼻水を拭いてあげた
翔くんはかわいく鼻をすすると、またゴメンと言った
「謝ることないでしょ?
お仕事なんだから……それより、天然温泉の保養所で休暇って?」
「うん、それがさ…
出張先の近くに会社の保養所があって
んで、部長が休日返上で出張行く代わりに、向こうの仕事が終わってから日曜日まで休みくれるって言ってさ」
「うん」
僕は翔くんの腕の中で体を反転させて正面から翔くんに抱き付いた
「でさ、保養所って本人と家族以外は利用出来ないんだけど
でも智くんは特別に家族扱いにしてくれるって、部長が…それで、つい…」
翔くんはまた申し訳無さそうな顔をして、ガックリ肩を落とした
(会社の保養所に家族扱いで…
それって、僕が翔くんの奥さんだって、部長さんに認めて貰ったってコトかな?///)
僕はギュウッと翔くんの背中に回わした手で翔くんのシャツを握り締めた
「………嬉しい///」
「え?」
僕はグリグリ翔くんの肩に顔を押し付けた
「温泉…一緒に暮らし初めてから行ったことないもんね」
「う、うん///」
「…今度はもっと胸を張って言えるよね…僕は、翔くんの………奥さんなんだ、…………って////」
「智くん…///」