第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
(…お仕事なんだから、行かないでなんて言えない
だいたい、潤くんとなんか、普通に1ヶ月とか逢えなかったの我慢してたじゃん…
…翔くんが優しいからって、甘えすぎなんだ、僕)
……でも……
(…土曜日…デート出来ないのも…
…………初めて)
僕は項垂れる翔くんを視界の端で見ながら、モソモソと買い物袋の中身を取り出した
「…明日…明日だけ…行きだけでも、付いて行ったら……ダメかなぁ?///」
「……え?」
翔くんはガックリと下げていた頭を上げた
僕は翔くんの方をマトモには見ずに言った
「…荷物持ちの代わりに…運んだら、大人しく…帰る……から///」
言い終わるか終わらないかくらいで、我慢していた涙が零れてしまった
(あぁ、もう!僕のバカッ!!
たかが一週間の出張位で泣いてどうすんだよ!!
こんな事で一々メソメソ泣いたりしたら、翔くんの迷惑に…)
「さぁああーーとぉしくぅううーーーんッ!!!///」
「んぎゅ////」
なんて僕は情けないんだろうって思って涙を拭おうとしたら
翔くんが物凄い勢いで突進してきて、抱き潰された
「ゴメンよ智くんッ!!ゴメンよぉーーッ!!俺が天然温泉(各部屋に露天風呂付き)の保養所休暇に釣られたばっかりに!!!(号泣)」
そう言ってぶんぶん頭を振る翔くんの顔は
涙どころか、鼻水まで出ていて、もう、ビショビショだった(笑)