第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「…え?出張?」
「………うん。ゴメン」
翔くんは床に正座して、ガックリと頭を垂れて申し訳なさそうに言った
「………しかも、明日からなんだ(泣)」
「…明日…」
僕は急な話に茫然として、買い物袋をリビングのテーブルの上に置いた
今日は朝からバイトの日だった
それで
何時も通り、バイト終わりにお夕飯の買い物を済ませて帰宅すると、玄関先に翔くんが正座をして僕の帰りを待っていた
まだ会社の終業時間前だったし、どうしたのかと焦って問い掛ける僕に、翔くんは頭を下げながら
「急に出張が入った」
と言ったのだ
「随分急なんだね」
「うん…ちょっとしたトラブルでさ…急遽人手が足りなくて…
…丸々一週間の出張で、土日も休み無しなんだよ(泣)」
「…そう」
僕はカレンダーを見た
今日は火曜日
明日はバイトが休みで、たぁちゃんちに行く日だ
(…一週間…)
翔くんと暮らし初めてから、そんなに長く離れるのは
勿論、初めてだ