第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
(………え)
大袈裟に飛び上がって眼を剥く翔くん
明らかに何か言われたって感じだ
「なに…なんて言われた、の?」
「えっ!?…いいいや、あの…きょきょ去年より体重増えてるからだだダイエットした方が良いってっ!!!(汗)」
「……本当に?それだけ?」
「Σほっ……ホントだよっ!!だ、だからもう良いやご飯っ!!
ごっごごご馳走さまっ!!!(汗)」
「え?ご馳走さまって、まだ全然食べてない…」
「風呂っ!俺先に入っちゃうねっ!!(汗汗)」
「翔くん!?」
慌てた様子でお風呂場に走って行く翔くん
僕は殆ど手付かずのままの夕飯と一緒に食卓に取り残されて茫然とした
「…なにを…言われたの?翔くん……まさか……」
(悪い、病気、とか……)
脳裏に、お母さんとお父さんの、ベッドに横たわる青白い顔が浮かぶ
「……嫌だ……嫌だよ翔くん……」
貴方まで………僕を措いていっちゃうの……?
「そんなの……僕……耐えられないよ……」
僕は残ったご飯が乾いてカサカサになるのも構わずに
その可哀想なお夕飯の残骸の前に座ったまま
言い知れぬ不安の中で
ただ、はらはらと涙を流していた