第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
(…おかしい)
僕はボソボソとちょこっとずつご飯を口に運ぶ翔くんを見ながら思った
…絶対に、なんかおかしいって。
会社から帰宅した翔くんは、何だか元気がなくて
どうしたのかと訪ねても、珍しく生返事ばかりしていた
お腹が空きすぎてると、たまにそんな感じになることがあったので、急いでご飯にしたんだけど
お腹が空いているどころか
何時もなら、一杯目のご飯なんて物凄い勢いで平らげて、二杯目をお代わりするのに
今日は、おかずにも殆ど手を付けないで、ご飯ばかりをもそもそ食べて
全く、食欲もないみたいだった
(…なんか、顔色も良くないよなぁ…具合悪いのかな?)
「…翔くん、調子が悪いの?」
「…………ほへ?」
まるで魂が抜けちゃ多みたいな顔を上げて、翔くんが僕を見た
でも、その視線も何処か焦点があって居ない様に見えた
(まさか、健康診断で何か悪いこと言われたとか…)
僕は、今朝感じた不安が本当になったらどうしようと、また不安に駆られた
「ねぇ、翔くん……もしかして、先生に何か言われたりした?」
「Σえ゙っ!!!」