第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
「今の医療技術では、性転換しても、子供を作ることはちょっと無理かと…」
「性転換はしません!」
「……何と言いますか……論外です(汗)」
やっぱりですか?
(そっか…やっぱ無理なのかなぁ…)
ガックリ肩を落とした俺に、先生がちょっと遠慮がちに質問した
「最近目立って疲れているとか、動悸がしたり目眩がしたりと言った症状はありませんか?」
「…はぁ」
(動悸に目眩ねぇ…)
まぁ、智くんが好きすぎてそんな症状が出ることは多々あるけど。(←笑)
「特に無いと思います」
「そうですか…」
先生はやっぱり眉間にしわを寄せている
(な、何だ?なんかあるのか?!)
段々心配になってくる
「あの、先生…もしかして、何か問題が…」
「いえ、櫻井さんは次は…血液検査ですね。
此方の問診票をお持ちになって、三階へどうぞ」
「…はぃ。ありがとう御座いました…」
(な、なんだ?…メチャクチャ気になるじゃないかっ!!)
俺は頻りに眼鏡の端を上げながら、難しい顔をしている先生に一礼して、診察室を出た