第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
「智くん、どうしたのかな…」
朝っぱらから時間もないのにエッチを強行する自分も大概どうかしているとは思うけど
それにも増して、今朝の智くんの様子はおかしかった
「……はぁ」
「櫻井さん、ご気分でも悪くなさいましたか?」
「え?…あ、いや、大丈夫です!」
(しまった…今は健康診断の真っ最中だった(汗))
俺は椅子に座り直して軽く咳払いをした
本日は、会社の健康診断の日
んでもって、俺は只今問診中だった
「そうですか…では、最近ご自身の健康や体の事で気がかりな事はありませんか?」
「いえ、特には」
「…そうですか」
「あ、ちょっと質問なんですが」
「はい、何でしょう?」
「あの、男性が妊娠することって、やっぱり不可能なんですかね?」
「…はぁっ!?」
問診をしている先生が、眉間にしわを寄せて、眼鏡の端をつっと上げた
「あ、いえ…僕のパートナーが男性なんですけど、子供を産みたいらしくて………あの、先生?」
俺は自分を凝視したまま固まってしまった先生の肩を叩いた
「あ、いや、これは失礼(汗)」
先生は咳払いしながらずり落ちた眼鏡をかけ直した