第17章 ロンドンからの刺客(笑)、の巻
ゆらゆらと
今にも零れ落ちそうな涙を湛えた瞳で俺を見詰める智くんの、目尻に溜まった涙を拭う
「大丈夫、智くんの傍には、何時でも俺がいるから…
泣きたい時は泣けば良い…そんで、思い切り泣いたら…」
熱心に俺を見詰める智くんをしっかり抱きしめて、その耳元に優しく囁く
「…また、笑って?」
「…しょぉ、くん…///」
「愛してるよ、智くん…どんな君も、愛してる」
「ふっ…ふぇっ…ふぇえんっ///」
俺に縋り付いて泣く可愛い奥様を抱きしめて、頭を撫でる
「よしよし、智くん」
「ふぇ〜んっ!翔くん、僕も愛してるよぉ///」
「んん〜っ!智くぅ〜んっ♡」
「ふぇっ…ふふっ…しょお、くんっ///」
泣き笑いする智くんを、更にキツく抱き締める
「さぁ〜としくん、かぁわいぃ♡」
「ふふぅ…しょおくん♡」
「さぁ〜とち♡♡」
「しょ〜おくん♡♡」
「…結局、それですか(苦笑)」
毎度お決まりの掛け合いを始めた俺と智くんを横目でみると、ニノはまた亀を睨み付けた
「この人たち、コレが始まると長いから俺はもう帰るけど、アンタ最後までちゃんと付き合って面倒見ろよ!」
「は、はい…」
さっきの鬼の勢いを見ているだけに、ビビり気味の亀
ニノはプリプリ怒って出口まで行くと振り向き、亀を睨んで言った
「ココ、アンタの奢りだからな!全員分っ!!」
「…え?」
面食らう亀を余所に、ニノはふんと鼻を鳴らして店を出て行った