第17章 ロンドンからの刺客(笑)、の巻
「…ねぇ、亀くん…奥さんとなんかあったの?」
そんな亀を見て、智くんが心配そうに言った
「…こんなコト言うと何だか悪いんだけどさ…アンタらは良いよな…元々子供が出来なくて」
「え…?」
智くんの瞳が、ちょっと悲しげに揺れる
俺は智くんの手をそっと握ると亀の方を向いた
「何だよ、イキナリ」
「…うちさ、結婚してもう直ぐ5年なんだよ。
俺は、自分ももう30になったし、そろそろって思ってるんだけど…」
「奥さんは、乗り気じゃない?」
亀は深く溜め息を付くと、ビールを一気に飲み干した
「……ふぅ…乗り気じゃないどころか…
“勝手な事言うな、一年近くも色んな事の制限を受けるなんてゴメンだ、片付けたい仕事が山ほどあるのに、私は妊娠してる暇なんかない”
…って、凄い剣幕でキレられたよ(苦笑)」
「……」
悲しそうに顔を曇らせて俯く智くん
俺は握った手を反対の手で握り直して、愛しの妻の肩を抱き寄せた
亀は、そんな俺らを横目で見ながら、相葉くんから受け取ったお代わりのビールを
カウンターに置くことなく、また、一気に飲み干した