第17章 ロンドンからの刺客(笑)、の巻
「じゃあ、どうしたんだと思う?」
「え?」
翔くんは大袈裟に驚くと、ソッポを向いた
「ソレは言えないなぁ!」
「ふふ、本当にお見通しなの?」
「勿論!」
ホントに?
ホントだよ!
…なんて言いながら、笑い合う
胸を締めつけていたモヤモヤが、ほんわか暖かい優しさで包まれる
ねぇ翔くん
僕も知ってるんだ…お見通しなんだよ?
本当の本当は解っているのに
わざと解って無いフリをしてるんだよね?
どうしたのか問うても、僕が決して口にしないのも全部解ってて
知ったかぶりしたフリをしてるんだよね?
ありがとうね、翔くん
僕の我儘を見て見ないフリをしてくれて
…ありがとう
「じゃぁあ、今、何考えてると思う?」
「んん〜“翔くん、愛してるぅ〜”…とか?」
「ソレは何時も想ってるよ♡」
「うぅ〜ん、俺だって366日ずっと想ってるよぉ♡///」
「一日多く無い?」
「だって今年はうるう年だからッ!!」
「うふふ、翔くんってば///」
翔くん
貴方と行く道は、何時だって笑顔が溢れてる
今日は土曜日
貴方と二人…ずっと、二人
のんびり楽しい、デートの日