第4章 奥様(♂)を家族に紹介! の巻
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僕が自分が私生児だと言うと
聞いたオジサンは、また腕を組み直した
「…昔は…ずっと何で僕なんか産まれて来ちゃったんだろうって、よく思ってたんです」
「……」
「母だって、僕が出来なかったら父に捨てられずに済んで…
…苦労して、若い内に亡くなったりなんかしないで済んだのにって…」
「……」
「でもね、そうじゃないって、ある人に出会って思える様になったんです」
「ある人?」
僕はにっこり笑って言った
「はい…僕の事心から愛してくれる人に出逢って…そう思ったんです」
「…そうかい」
「はい…その人が教えてくれたんです…
…自暴自棄になって、何時死んだっていいなんてバカなコト考えてた僕に…
…生きてる限りちゃんと生きなきゃダメなんだって…
…僕…自分なんて要らない存在だと思ってた…けど」
僕は真剣に僕の話しを聞いてくれてるオジサンを見ながら言った
「その人と居ると僕…自分は必要とされてるって思えるから…
…僕の事、本当に本当に愛してくれてるって感じられるから…
…だから僕…その人と…生きたいって…
…ずっと一緒に生きて行きたいって…
…僕…初めて…生きたいって、思ったんです」
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