第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
「アナタそんな事より、先に智くんに言う事があるんじゃないの?」
「え?…あ、そうだった!」
お母さんに突かれて、妹さんは正座すると僕に向かって深々と頭を下げた
「さとちゃん、本当に有り難う!お陰でバカ亭主にガツンと言ってやって、スッキリしたわ!」
「そ、そんな…妹さん、頭上げてよ///僕だって、結局お母さんのお世話になりっぱなしだったし///」
「そんなコト無いわよ?智くん、頑張ってたじゃない」
「いえ、僕は…」
「………吐く」
「「「え?」」」
お礼を言う妹さんと、ソレに同調するお母さんにそんなコト無いとか言っていたら、後ろから弟さんの切羽詰まった声がした
見れば、眼をひんむいて床を凝視している
「だ、大丈夫?」
「………吐くッ!!」
「あ゙。」
「うぇ…間に合わなかったわ…(汗)」
戸惑う僕と嫌そうな顔の妹さんの目の前で、弟さんがジェット噴射(苦笑)
「…智くん、片付けしなくて良いわよ。コレは、このバカ息子の親の仕事ですから」
雑巾片手に片付けをしようとする僕の手から、その雑巾を抜き取って
お母さんが溜め息まじりにそう言った
その後
妹さんは旦那さんが赤ちゃんに逢いたがって居るからと、お礼を言いつつ早々にお家へ帰って行き
お母さんは、軽い昼食を僕と二人で食べた後
お昼を過ぎても一向に回復しないお父さんと弟さんを引きずって帰って行った