第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
(や…やっぱり色々鬱憤が溜まっていたんだね(汗))
僕は物凄い勢いで日ごろの不満を言い続ける妹さんに若干押されつつ、その妹さんの腕の中に居る赤ちゃんを見た
凄い剣幕で声を荒げるお母さんを、不思議そうな顔をしてみてる
(言ったコト無いんだきっと…旦那さんに)
こんなに怒っているのに、きっとソレを旦那さんに言ったコトは無いんだ
もしかしたら、こんな風に声を荒げた事も無いのかも知れない
だって
現に赤ちゃんは、こんなお母さん初めて見たって顔してキョトンとしてる
「はぁ、はぁ……あ、七海ゴメンね?ビックリした?」
取り敢えず文句を言いきったらしい妹さんが、赤ちゃんを抱き直して言った
(…そっか)
「ねぇ、妹さん…今言ったコト、旦那さんに言ってみたら?」
「え?」
「喧嘩してる所を赤ちゃんに見られたくないなら、ココで預かっていてあげるから…ね?」
「…え」
「Σああ預かるって…智くん?!」