第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
感極まって、また智くんを抱き潰す俺
「もぉ、翔くんってば///」
智くんはそんな俺を優しく抱き返しながら、また妹を見て言った
「ね?言ったら案外スッキリするかもよ?」
「……確かにね、あたしは専業主婦だから、家のコトをするのは当然だと思うの」
妹は箸を置くと、更に俯いて話し始めた
「…結婚してすぐの頃は良かったの…
…奥さんしてるって言うのが楽しくて、普通に旦那の世話もしてたんだけどさ…」
「うん」
「…七海が産まれてね…
…朝も夜もなく一日中七海の世話に明け暮れてるって言うのにさ…
…どうして旦那の分まであたしがって……思って」
「うん」
「だってさ、新聞くらい自分で取れよって思わない?
こっちは七海を抱っこして世話してんのに、お前はトドみたいに寝転がってるだけじゃん!
…とかさ」
「うん」
妹、徐々にヒートアップ
「リモコンだって目の前にあって、己の方が近いのに取ってって何さって思うでしょ?!」
「う、うん」
妹の勢いに、智くん、若干引く
「あのおっさん、人を顎で使って何様だと思ってんの?
あたしは家政婦じゃないのよ!?
こんな若くて可愛い嫁を貰ったくせに、良い気になってんじゃないわよって思うでしょっ!!?」
「う…うん(汗)」
妹の鬼の様な剣幕に、智くん、完全に引く(笑)