第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
「…僕も、妹さんに別れようって思った原因を聞いてあげますから…」
「…大野さん」
「家族はね……離れちゃいけないの」
智くんはゆっくり振り向くと、涙目を揺らしながら言った
「子供にはね……お母さんと、お父さんが必要なんだよ」
「……」
「……智くん」
きゅっと唇を噛み締めて俯くと、智くんは軽く頭を下げて妹宅を出て行った
………って
「ま、待って智くん!!」
俺は旦那さんから妹と姪っ子の二人分の荷物を受け取ると、慌てて智くんの後を追った
「さ、智くぅ〜ん!!(汗)」
両手に荷物を抱えて妹宅を飛びだして、智くんの後を追う
「智くん!待って!!」
「……」
俺の声に立ち止まると、智くんは肩越しに俺をちらっと見た
「ご、ゴメンね智くん俺…」
「しぃ〜!…赤ちゃん、まだ寝てるから」
「え?」
そう言うと智くんは、そおっと振り向いて大事そうに抱いた赤ちゃんを俺に見せた
「…本当に、かわいぃよね///」
「うん///」
そう言う君の方が、マキシマム可愛いですけど。
「はぁ…赤ちゃんってさぁ、なんかこぅ、…抱いてるだけで癒されるよねぇ///」
「うん///」
いやいや、君を抱いてる方が超絶癒されますけど。
「…僕、赤ちゃん産めれば良かったのになぁ///」
「うん………うんッ?!///」
Σな、何ですと?!
「ああああか、あかかかッ!!!///」
「?…どうしたの、翔くん?」
どうしたのって智くん!!///