第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
「…今、寝た所なんですよ」
お家に上がると旦那さんはリビングに置かれたベビーベッドの脇に立って、その中を覗き込んでいた
「寝てるんですか…智くん、寝顔見せて貰う?…って、そうだ!」
翔くんはポンと手を叩くと僕の肩を抱き寄せた
「すいません紹介が遅れちゃって…彼、僕のパートナーで、大野智くんです」
あ、そっか、自己紹介がまだだった(汗)
「初めまして大野です///」
「初めまして大野さん、お噂は聞いております…お写真も散々妻に見せてもらいましたから」
「そ、そうなんですか?///」
噂って何の事だろう?
なんて思っていたら、旦那さんが後ろ手に腕を組んで、僕の顔を覗き込んだ
「お写真を見せて頂いて、随分綺麗な男の人も居るもんだなと思いましたが、実物はまた更にお綺麗ですね」
「え?///」
マジマジと僕の顔を見る旦那さん
ソレを見て翔くんが僕を隠す様に一歩前へ出た
「うおぉっほん!
ね、寝ているのを起こすのは可哀想ですが、七海ちゃんを連れて行っても良いですかね?!」
「…あぁ…そうでしたね」
旦那さんはそんな翔くんは一向に気にならない様で、またベッドの中の赤ちゃんに視線を向けると言った
「…僕としては、七海を連れて行って欲しくは無いのですが…
…流石に二日続けて保健室でお世話して頂く訳には行きませんからね……仕方ありません」
(…赤ちゃん、保健室に預けてたんだ(汗))
旦那さんはベビーベッドに手を伸ばすと、其処で寝ている赤ちゃんを抱き上げた