第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
妹さんの家は、僕らの家からは結構近くて
電車で約30分、ソコから徒歩で15分くらいの閑静な住宅街にあった
「え〜っと、ここだったな」
小さめの一軒家が並ぶ通りの一番端の家の呼び鈴を、翔くんが鳴らした
『……はい』
「あ、こんにちは、翔です」
『…あぁ、お兄さんですか』
「どうも、お久しぶりです。妹から連絡行きましたか?」
『…えぇ、まぁ…取り敢えず、上がって下さい』
そう言ってインターフォンが切られると玄関の戸が開いて、中年の男性がのそっと顔を出した
「…どうぞ」
「あ、どうも」
その人はちらっと僕の方に眼をやると、微かに会釈して家の中に入って行った
「………翔くん」
僕は小声で翔くんを呼ぶと、袖をつんつん引っ張った
「ん?なに?」
「…今の人…妹さんの旦那さん?」
「うん、そうだけど?」
(嘘…どう見ても、40過ぎくらいに見えたんだけど(汗))
戸惑う僕の様子を見て、翔くんが言った
「妹とは結構年が離れてるんだよ、俺より年上だし(笑)」
「え?そうなの?!」
「…妹の旦那さ、公務員なんだよね…」
「ん?…うん?」
「…学校の、先生(笑)」
「えっ?!…嘘、もしかして…」
翔くんはクスクス笑いながら僕の手を取って繋ぐと言った
「ああ見えてさ、結構隅に置けないんだよあの人
…なんせ、教え子に手を出しちゃう位だからね(笑)」
「…そうなんだ///」
なんか…ロマンチックだなぁ///(←そうかい?)
「さて、可愛い姪っ子をお迎えにあがりましょうかね?」
「…うん///」
僕らは手を繋いだままお家に上がった