第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
どうしてこうも、俺と智くんの周りには騒動が絶えないのだろうか
智くんの初恋の相手との密会疑惑(←半分アナタの妄想だから)の後は、暫く平穏な日々が続いていたと言うのに
…災難は、忘れた頃にやってくるものだ
「ぅをにぃーーーちゃぁあーーーーんッ!!!」
「Σどわっ?!」
春も間近なある日の午後
しがないサラリーマンの俺の、唯一と言って良いお楽しみタイムである昼休み
何時も通りウキウキしながら、智くんの愛情たっぷり入りの愛妻弁当を広げていたら、妹の襲撃に遇った
「Σな、何だよ急に?!」
イキナリやって来てしがみ付く妹を引っ剥がす
「お兄ちゃん!あたし、別れるわっ!!(泣)」
「………はぁ?!」
「あんな半分お爺ちゃんみたいなオヤジ、もう別れてやるんだからぁっ!!(号泣)」
「お、お前な…自分の旦那をお爺ちゃんみたいなオヤジって(汗)」
「良いのよ!だって本当のコトだもんッ!!(号泣)」
ほ、本当のコトってお前
「…尚悪いだろう(苦笑)」
「うわぁ〜ん!お兄ちゃんもあのオッサンの肩持つのねぇ〜っ!!(号泣)」
「お兄ちゃんもって…他に誰かに話したのか?」
俺は泣き喚く妹を、取り敢えず椅子に座らせた