第14章 それぞれのバレンタイン♡、の巻
「うわぁ冷たい…いつから居たの?」
店の中に入ると、冷え切った俺の頬を雅紀が両手で挟んだ
その暖かさに、危うく泣きそうになる
「……ココに来たのは今さっきだよ」
「そうなの?…じゃあ、それマデはドコに居たの?」
「……何処って…別に、色々」
お前の居ない部屋に居るのが嫌で、街を徘徊してたなんて言える訳も無く
俺はモゴモゴと口籠って俯いた
「そっか……ゴメンねニノ、寂しかったね?」
そう言って、そっと俺を抱きしめる雅紀
その、優しい体温に包まれて、胸が軋む
「ばっかじゃねぇのっ!///」
「うん、俺も寂しかったよニノ…愛してる」
「…バカじゃねぇの////」
意地を張るのに耐えきれずに
憎まれ口を叩きながら、その背中に腕を回してぎゅっと抱きつく
「ねぇ、ニノ…バレンタインのチョコは?」
「…んなもんねぇよ」
「えぇ〜?ナイのぉ?」
「…〇ッキーも、さっき食ってたのが最後だし」
「ふぅ〜ん…じゃあ、まだ味がするかな?」
「え?」
上げた顔を掴まれて、唇を奪われる
口内を探る様に、雅紀の舌が這いまわる
「ぅ…ん……ん///」