第14章 それぞれのバレンタイン♡、の巻
(……こんなコトしたって…余計惨めになるだけなのに)
この一週間
バレンタインに浮かれていた街は
その当日を迎えて、更に浮足立っていた
そこら中でカップルがいちゃついているし
あるとあらゆるものが、バレンタイン一色に染まっている
街中に立った時計を見ると、もう、日付が変わっていた
「……店、もう終わるかな」
俺はポッ〇ーを齧りながら、雅紀の店の方へ歩き出した
店の前まで行くと、俺は“Lotus”と書かれた看板の横にしゃがみ込んで座った
2月の冷たい風が、頬を掠める
「……さっみぃ」
俺はバカみたいにガタガタ震えながら、最後の〇ッキーを咥えた
と、看板の電気が消える
(…終わったのかな?)
しゃがんだまま店の扉の方を見たら、それが開いて、中から逢いたかった人が顔を出した
「あれ?ニノ?!どうしたのそんなトコロで??!」
「……ポ〇キー食ってた」
「えぇ?(笑)
…寒いでしょ?取り敢えず中に入りなよ」
「……」
俺はポッ〇ーを咥えたまま、雅紀に手を引かれて店の中に入った