第13章 智の青いおもひで、の巻
「……これじゃ、お母さんのお見舞いどころじゃないな…」
やっとの思いで服を着てフラフラと立ち上がる
壁に手をついていなと、立っても居られない
「…情けない……な…」
僕は脚を引きずる様にして、美術室を後にした
「………すんっ///」
啜りあげた鼻孔から
埃と、絵具の匂いがした
「あんな酷いコトして、どう言い訳するつもり?」
僕は玄関で腕組みをしたまま、旬を睨みつけた
「まぁ、どう言い訳しても許して貰おうなんて思わないけどさ」
旬がちょっと情けない顔をして肩を竦めた
「………怖かったんだ、俺」
「怖かった?」
「あぁ……自分の身勝手な欲望の為に、お前との友情を失うのが」
「……」
「でも結局失ったのは、恋だったけどな」
そう言って旬は
あの日の事を語り始めた