第13章 智の青いおもひで、の巻
「…全部忘れろよ、智…………コレは、只のゲームだ」
「……」
散々僕のナカを掻き回して突き上げた後、その欲情を無断で僕の中に放った旬が
僕に背中を向けて自分の着衣を直しながら言った
僕はうつ伏せていた体を何とか反転させて仰向けに寝転ぶと、旬の背中を見詰めた
体中が、ズキズキと脈打つほどに痛んだ
寝転んだ床が、熱くなった体に冷たい感触を齎して
ザワッと鳥肌が立つ
無様に寝転ぶ僕を見もしないで、旬はそのまま準備室を出て行った
「………っ……ふっ……ぇっ…////」
僕は口を押さえて、必死に嗚咽を堪えながら泣いた
ただ、興味本位で体を奪われた自分が哀れだった
こんな状態の僕を放置して行ってしまった旬が、恨めしかった
…でも、それ以上に
どうせ抱かれるなら、ちゃんと愛して欲しかったと言う想いで、胸が潰される程締めつけられていた
(……愛して、欲しかった)
動かすのも苦しい位に痛む体を何とか起こして、僕は脱がされた服を掴んだ
(……僕は、旬に…愛して欲しかったんだ)
遊びじゃ無くて、本気で……抱いて欲しかった
「………僕、失恋しちゃったのかな」
旬に対する想いが、ただの友情では無く、恋だったのだと今更ながらに自覚して
新たな涙がまた頬を濡らした
「……忘れろ、だって……さ」
ボタボタ床に滴る自分の涙を見ながら
旬がそう言うなら、何も無かった事にしようと思った
今日、ココで起きたコトは、全部夢だ
…悪い、夢なんだ、と…