第13章 智の青いおもひで、の巻
「取り敢えず、こんなもんかな?」
部屋の中は相変わらず絵具と埃の匂いがしていたけど、一応部屋らしくはなった
「ほんの数分でここまで綺麗になりゃ充分だろ」
旬がピカピカになったテーブルを指でなぞると、その指を僕に見せて真面目な顔をた
「…埃は、一個もありません」
「うふふ」
僕は手に持っていた雑巾をテーブルの上に置いて、旬の隣に立った
「どうせすぐ汚れちゃうと思うけどさ…先生絶対掃除しないもん」
「そしたらまた掃除してやれば?好きなんだろ」
「ん〜…」
何の気なしに旬の方を向くと、旬の顔が目の前にあった
心臓がドクンと大袈裟に脈打つ
「……なぁ、男同士ってさ…どうなのかな」
「………え?」
旬の手が、僕の頬に添えられる
「……なんかさ、試してみたくない?」
「え?……な、なにを?」
添えられた手が、首筋に落ちる
「……ちょっとした遊びだよ……言ったら、ゲームみたいなもんかな」
「ゲーム?……どう言う事?」
旬の手が、首筋から僕の体を辿って、ベルトに掛かる
「男同士で、イケるかどうか……みたいな」
「…な、何言ってるの?」