第13章 智の青いおもひで、の巻
「智はコレから母親の見舞いに行くんだ。
遊んでる暇はないぜ」
「小栗は大野の事なら何でも知っとるんやな」
「まぁな、トモダチだからな」
ソレを聞いたクラスメイトは鼻を鳴らすと自分のカバンを肩に担いだ
「トモダチねぇ…まぁ、ええけど」
意味深な流し眼を僕と旬に送って、そのハタ迷惑なクラスメイトは教室を出て行った
「あいつ、しつこいな…修学旅行の時から、ずっとだろ?」
「ん〜…からかって面白がってるんだよ、きっと」
僕は以前、そいつに修学旅行先の温泉で襲われかけて、旬に助けて貰った事があった
結局僕は温泉には入らずに、部屋風呂に入ったんだけど
僕がお風呂に入っている間中、旬はずっと部屋風呂の前に座って見張っていてくれた
「まぁ、アレか…男子校に於ける悲しい性ってやつだな」
「どう言う事?」
「だから女が居ないから、可愛い子をその代わりにしようって魂胆なんだろ」
「…カワイイってなんだよ///」
急に“可愛い”なんて言われて赤くなった僕の頬を突いて、旬が笑った
「だってホラ、こんなに赤くなって、かぁ〜わいぃ」
「もぉ〜…バカにして///」
僕は旬の手を払い除けた