第13章 智の青いおもひで、の巻
ぎゅっと唇を噛んで
必死に泣くのを我慢してた翔くん…
(…次は、翔くんの初めての話しを聞かないとフェアじゃないかな?)
「……」
(…聞きたくないな…だって、相手は女の人だもんね…)
「…はぁ」
僕は溜め息をついて翔くんの胸に顔を押し付けた
「ぅふぅ〜ん///」
「………(汗)」
(う、うふんって…翔くんの寝言って、ヘン(笑))
可愛くて、優しくて、カッコ良くって…ちょっと、ヘン
僕はそんな翔くんが、大好き
「良いんだ…僕が翔くんの初めての男なんだもん///」
(あぁ、僕の初めても、翔くんだったら良かったのになぁ)
「……」
(…初めて、か)
高校卒業間近の、ある放課後
忘れてしまいたかった、あの日の事
記憶に蘇るのは
埃と、絵具の匂い
体に残る痛み、床の冷たさ
いっそ、無かったコトにしたかったソレは
旬の告白を聞いて、より一層、ほろ苦い思い出になった