第13章 智の青いおもひで、の巻
「そっか…お前、彼氏いるのか」
「違います!旦那さまです!」
寂しげな顔でそう言う旬に訂正を入れると、旬は寂しげな顔のままちょっと笑った
「何か違うんだ?
智は昔から変な所に拘るからな」
そう言いながら歩き出す旬にちょっと引っ張られる様に僕も歩き出す
「そう、大いに違う!!」
「何処が?」
「ん〜…解んない」
「ははは、ダメじゃん」
「…うるさぃ///」
だって、言葉で説明するのが難しいんだもん
(本質は変わらないかもしれないけど…
どうせ夫婦って言っても僕らだけの約束だし
でも、ちゃんと式だって挙げたし…)
俯いて不貞腐れる僕の手を旬がクイッと引っ張った
顔を上げて旬を見ると、懐かしい優しい笑顔で僕を見ている
「男の部屋なんかに連れ込まれても良いんですか?奥様」
「お、おくっ////」
真っ赤になった僕の頬を繋いだ手の指で突いて、旬がクスリと笑った
「…ホント、変わんないな」
「…う、うるさぃ////」
「はは、可愛い」
「…もぅ、からかうなよ////」
「からかってなんかないよ…昔も今も、フザケタ振りしてマジだから」
「………え?」
思わず立ち止った僕の手を引っ張って旬が言った
「ココからバスなんだよ!ホラ、来てるから走って」
「え?…ちょ、ちょっと!///」
僕は旬に手を引かれて今正に着いたばかりのバスが止まっている停留所まで走った