第13章 智の青いおもひで、の巻
「しゅ、旬?!///」
「言い訳、させてくれないかな……あの時の」
「え?」
僕を抱きしめる旬の腕に、力がこもる
「確かにアレはゲームだった…でも、本気だった」
「え…」
「…あの日、あの時…初めて気が付いたんだよ俺…
…お前のコト、ずっと、好きだったんだって」
「!!!」
同じだったの?
旬も、僕と…
「…どうして、あんなコトしたのか…何故、あんなコト言ったのか…言い訳、聞いてくれないか?」
「……」
僕はそっと昔好きだった人の背中に腕を回して
あの時そうしたいと思った様にその背中を抱きしめた
「……解った」
こんな風に抱きしめてもらいたかった
冷たい床の上で泣きながら
こんな風にぎゅっと抱きしめて欲しいって
こんな風にそっと抱きしめたいって…
僕は当時の自分の代わりに、大好きだった人の体温を思う存分感じていた
「…俺んち、すぐそこなんだ……今から来ないか?」
「……言っておくけど、僕、浮気しないからね」
「え?」
ちょっとビックリした顔で僕を見詰める旬の手を握り直して、僕は言った
「僕にはね、素敵な旦那さまがいるの」