第13章 智の青いおもひで、の巻
「……」
電話で“しゅん”って奴の名前を聞いた時の、智くんの顔
なんか、凄く………痛々しいかったって言うか…
いや、そりゃ俺が智くんの可愛い頭を壁に激突させちゃったから、痛そうな顔してただけかも解んないけどさ
どうも、それだけじゃ無い気がするんだもん
(なんかこう、もっと複雑な思いを抱えているっぽいって言うかなんて言うか…)
「…はぁ…いっそのこと、このまま連れて帰ろうかな?」
俺が溜め息まじりにモヤ〇像の陰から智くんを見ると、愛しい君に背後から近づく怪しい人影が眼に入った
「Σしまった!
可愛い可愛い智くんがこんな所に一人で突っ立ってたら、ナンパされて当然じゃないかっ!!」
慌てて智くんの所へ行こうとしたら、智くんが振り向いた
そして大きく眼を見開いてそいつを見詰めた
「……え?」
ソレは、懐かしいヒトを見る様な
驚きと、戸惑いと……嬉しさが、入り混じった様な
…そんな眼差しだった