第13章 智の青いおもひで、の巻
「でね、その子たまたま同窓会の幹事でね?
今度の日曜日にやるんだよって話しになってさ
…お便りは結構前に出してたみたいだけど、ほら、僕実家無いじゃん?」
「うん」
「だから連絡が取れなかったらしくて
…で、折角だから来ないかって言われてね?」
「うん」
話しを聞きながら智くんの綺麗なお手てを両手で握る
「そんで、僕は行きたいけど
返事は一緒に住んでる人に訊いてみてからでもイイ?って聞いたら
イイよって言うから…ダメかな?」
「智くん、行きたいの?」
「うん…だって、卒業してからもうずぅ〜っと会ってない人ばっかだもん」
俺は握った手をムニムニした
「…何時から?」
「7時からだって」
「…何時まで?」
「一応9時だって言ってたよ?」
「…一応?」
「……9時に、帰る」
智くんがその手を握った俺の手の上に顎を乗せて、思い切り上目遣いをした
「行きたいなぁ〜…」
「う…別に、行っても構わないけど…」
それを聞いて智くんが勢いよく立ち上がった
「やったぁ〜!翔くんありがとう♡」
「あ、だからその…」
「さっそく電話しなきゃ♪」
智くんは嬉しそうに携帯を取り出すと、幹事に電話を掛けた