第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
「…ヨダレ垂れてる(笑)」
「……くかぁ〜………智くぅ〜ん……むにゃむにゃ…」
「ふふ…僕は、ココに居るよ?」
真っ赤に瞼を腫らして、ヨダレを垂らしながら熟睡する愛しの旦那様を抱きしめる
「…ただいま翔くん。心配掛けてゴメンなさい……愛してるよ」
「……へへ………へへへ///」
「ん?翔くん起きたの?」
顔を覗き込むと、可愛くにま〜っと笑って
…寝ている(笑)
「きっと僕が居ない間良く眠れなかったんだね」(←良く眠れないどころか、殆ど寝てません)
僕は助手席のリクライニングをそっと倒して、翔くんの体を背もたれに倒した
それからそぉっと翔くんのお膝の上に向かえ合わせに跨り、抱きついて座る
体中が翔くんの暖かさと匂いに包まれる
ほっこりとした幸せな気持ちに、思わずため息が漏れた
「はぁ……翔くん、寂しかった?…僕もね、ちょっと寂しかったよ」
(ちょっと何て言ったら翔くん『なんで“ちょっと”なの!』とか言いそうだなぁ(笑))
僕は翔くんのテカテカ光る唇をティッシュで拭いながら思った
(でも…だってさ、何かスパイになったみたいで、ちょっと楽しかったんだもん♪)
だけど
そんなコト言ったらまた翔くんが大変なコトになっちゃうから
翔くんには、内緒
…ね?///