第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
「翔くん!ただいまっ!!」
「……」
駐車場に停められた、翔くんが乗っている車に辿り着き、勢い良く助手席のドアを開けるたものの
車の中の翔くんからは、全く反応が返って来なかった
「…翔くん?…怒ってるの?」
「……」
もう一度声を掛けるも、やっぱり無反応
前方にうつ伏せて黙っている
「ゴメンね翔くん…いっぱい心配かけちゃって…怒ってるよね?」
「……」
何も言ってくれない翔くんに、段々目頭が熱くなる
「ふぇ…翔くん……ゴメンなさい///」
「……んが」
(…んが?)
「…翔くん?」
「………ぐごぉ」
(…まさか)
僕は、下からうつ伏せた翔くんの顔を覗き込んだ