第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
その後僕は、一応たぁちゃんの羽織に隠れて車まで行ったんだけど
景山さんの言った通り見送りをする人もガードマンの人も居なくて
僕はたぁちゃんと一緒にそのまま車に乗り込んで会場へ向かった
「家内ももう亡くなったし、しのぶちゃんと一緒に余生を過ごしたかったんじゃが、ソレは無理かのぅ」
会場に向かう途中で、たぁちゃんが羽織の紐を弄りながら僕の様子をを伺う様に言った
「…たぁちゃん」
「折角再会出来たのに、良い人が居るんじゃ仕方がないのぅ…でも寂しいのぅ…」
羽織の紐を弄りながら肩をすぼめて俯くたぁちゃん
…何だか可哀想
(たぁちゃんのお陰でニノが幸せになれるんだから…お礼はしなくちゃだよね?)
僕はたぁちゃんの羽織を弄る手を握った
「……お茶飲み友達くらいだったら、なってあげるよ?」
「む?」
「何だかんだ言っても、全部たぁちゃんのお陰だもんね?
たまに…週に一度くらい、遊びに行ってあげる」
「本当かい?!しのぶちゃん!」
「…但し(汗)」
勢い余ったたぁちゃんに押し倒されそうになって、その顔をグイグイ押し戻しながら言う
「ちゃんとニノと相葉ちゃんが元通りになったらね」
「解ったのじゃっ!たぁちゃん張り切ってサプライズするのじゃっ!!」
カッコ良く右腕をぐぃんと突き上げるたぁちゃん
「うふふ、たぁちゃんかっこいぃ〜♪」
「おほぉ〜///たぁちゃん頑張っちゃうでちゅぅ〜♪」