第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
それから僕はたぁちゃんのお部屋でたぁちゃんのお尻攻撃をかわしつつ
ニノの子供の頃の話とか、たぁちゃんの良く解らない武勇伝とかを聞いて時間を潰した
「あ、そうだ!翔くん心配してると思うから電話しなくちゃ!」
「しょうくん?誰じゃソレは?」
「僕のぉ、旦那さま///」
「Σおほぅっ!しのぶちゃんダーリンがおったのかい?!」
「うん♡」
顎が外れちゃうんじゃないかって位大口を開けるたぁちゃんをヨソに携帯を取り出す
電源をONにしようとしたらドアをノックする音が…
「失礼致します」
「!!!」
ドアの開く気配に僕は慌てて椅子の後ろに隠れた
「大旦那さま、和也ぼっちゃまは会場へ向かわれました。
大旦那さまもそろそろご出立なさって下さい」
「おお景山、解った今行く」
「では、お車を準備してお待ちしております」
「うむ」
「……」
話しは済んだ筈なのに、景山さんが部屋から出る気配がしない
(う…な、なんで行かないのかな?早く部屋を出てくれないかな…)
「どうした景山。まだ何か用があるのか?」
「…いえ。失礼致しました」
ドアを開ける音がして、止まる
「…大旦那さまのお見送りは必要無いと、屋敷の者に申しつけて置きました」
「ん?何じゃ?」
「大旦那さまの運転手も会場に居るガードマンも、この屋敷の者ではありませんし
旦那さまも貴方のお顔を御存じありませんから、どうぞ、そのままご一緒にお車にお乗り下さい
…大野様」