第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
「クラブの常連客!?どう言う事よっ??!」
「うん…ちょっとニノの部屋を抜け出した時にね…」
「Σんなっ!!抜け出したって何でそんな無茶をっ??!」
「ん〜でもさ、その無茶のお陰でこうやってみんなで帰れるんだから…
あと、あのバイトのお陰で(笑)」
「…バイト…」
智くんが言う“あのバイト”とは、智くんが大学生の頃にしていた掛け持ちのバイトの一つで
一つはニノと松本くんが通っていた高校の臨時講師のバイト
で、今言ったのが大学の先輩に誘われて始めた銀座のクラブのバイトだ
智くんはその銀座のクラブで、普通にホステスとして客の相手をしていた
なんでも初めは一応ギャルソンとして働いていたんだけど
何しろ激烈カワユスな智くんは大人気で指名が殺到した為にそんな事になってしまったらしい
で、調子に乗った店長が源氏名まで付けたと言うのだ
それが、“しのぶちゃん”
だから、智くんの噂を聞きつけて常連になったニノのお爺さんは
智くんの源氏名の“しのぶ”しか知らなかったのだ
…例のストーカー野郎(注:詳しくは青い鳥で(笑))は、智くんがお店に入る前からの常連だったから、“大野”って名前を知ってたみたいだけどさ…
(…思い出したらムカついて来た…何時か見つけたら頭の毛を全部むしってやる!!)←何故、毛を(笑)
「…翔くんどうしたの?そんな悪い顔して」
「え?」
「本当だ。
何時ぞやのストーカー男に仕返ししてやるって顔してますね」
「え?マジ?!」
慌てて顔を擦る俺を無視してニノが言った
「んで?どうやってうちの頑固じじぃをタラシ込んだんです?」
「たらし込むって(苦笑)
…ん〜、だからね、ニノのお部屋から出てね…」
そう言って
智くんが事の顛末を話し始めた