第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
「しかしなぁ…散々だったけど、結局智くんのお陰なんだもんねぇ
相葉くんとニノが無事元に戻れたのって」
俺は、相変わらずすやすやと幸せそうに眠っている智の髪を、指で優しく梳きながら
ぶつぶつと独り言を呟いた
実は
智くんがニノのお屋敷に二泊した翌日
即ち、ニノの婚約披露パーティーが予定されてたその日に、ことも有ろうか智くんがニノの部屋を抜け出して行方不明になってしまったのだ
だが、結果的にそのお陰で、智くんの銀座時代(笑)の常連さんだったというニノのお祖父さんに智くんが遭遇して
そのお祖父さんの力でニノの婚約が破談になり、ニノは無事に相葉くんの元へ帰る事が出来たのだ
もしも智くんが無謀にもニノの部屋を抜け出していなければ
今頃ニノは無理やり婚約させられて、相葉くんとの別れが決定的な物になっていた事だろう
「…まさかねぇ…あのバイトが役に立つなんてねぇ…
…出来ればもう二度と役に立って欲しくないもんだけど(苦笑)」
俺は愛しの智くんの寝顔を覗き込んだ
「…しのぶちゃん…ね(苦笑)」
俺は自宅に帰る車中で聞いた、智くんの話しを思い返した