第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
「ひっ…さとっ…しくっ……ひくっ……さとし、くん…」
「俺、大人がそんなしゃくり上げて泣くの初めて見たよ(笑)」
「えぐっ……わらっ…て、んじゃっ…ねっ……ひっく…」
相葉くん宅に到着して、猿ぐつわを取ってもらったものの
泣き過ぎて、呼吸が上手く出来ずにしゃくり上げる俺
パニックが過ぎて自分でも訳が解らない
(あ〜…智くん…今頃どうして居るだろう…)
寂しくて泣いて無いだろうか…(←ソレはあなた)
「…智、くん…」
「大丈夫だよ、櫻井くん。ニノと一緒に帰ってくるから!」
「…智くん…智くん…」
「…櫻井くん?」
「…智くん智くん智くん…」
「……(苦笑)」
もう、頭の中は智くんの事で一杯(←ソレ何時もです)
「まぁ、良いけどね…櫻井くん、花屋さんの受け取り伝票は?」
「…智くん上着の智くん右のポッケ智くん…」
「…上着の右のポッケね(笑)」
相葉くんは俺のポッケから伝票を取り出した
「まだ早いから、少し寝よう?」
「…智くん逢いたいよ智くん心配だよ智くん…」
「…俺は、寝るね?」
相葉くんは伝票を握りしめたまま寝室に入って行った
(…眠れる訳ないじゃん)
嗚呼…熱烈再会希望(泣)
俺はそれから、婚約披露の会場へ向かう車に押し込められるまで
ずぅーーーっと智くんの名前をブツブツ唱え続けていた