第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「はぁ〜……すげかったねぇ智くん」
「うん………すんげかったねぇ翔くん」
花火が終わって、俺と智くんは人の波が治まるのを待ってから駅に向かって、夜行列車に乗った
さっきの喧騒とうって変って静かな車内には、ガタゴトと車輪の音だけが響いている
「…ふぁ〜…///」
「智くん、眠いの?」
「ん〜…ちょっと疲れちゃった(笑)」
人混みが苦手な智くんは、ちょっと人に酔ってしまったらしい
眠そうな目を擦って、俺の肩に寄り掛かった
「イイよ、寝な?」
「ん〜…翔くんは?」
「俺も寝るよ(笑)」
「乗り過ごさないかな?」
「大丈夫、終点だから」
俺は智くんの肩に腕を回してしっかりそのカラダを抱き寄せると、興奮の跡を仄かに残した桃色の頬にキスをした
「おやすみ、智くん」
「ん…お休み、翔くん」
二人で寄り添い、電車に揺られながら
俺達は終着駅まで浅い眠りに落ちていた