第9章 ハッピーウエディング、の巻
「そう言えばさ」
僕に腕枕しながら、翔くんが言う
「俺ら智くんの誕生日一緒に過ごすの、初めてだね」
「…うん」
そっか…そうなんだよね
だって、去年の誕生日は……
「……」
黙り込む僕のほっぺを、翔くんがむぎゅっと摘んだ
「こら、智くんまた松本くんの事考えてたでしょ?」
「…ゴメンなさい///」
「別に良いけどさ
…実際松本くんの方が俺より一緒に居た時間は長い訳だし」
「……ゴメン」
「だから、気にしてないってば(笑)」
眉毛を下げて笑いながら、翔くんが僕を抱き寄せてその腕の中に包み込む
「だってこれから先の何十年って時間は、俺のものなんだから」
「…うん///」
…何て言うか、返す返すも…
「………しあわせ////」
「俺も幸せだよ///」
(どうかこの温もりが…この幸せが永遠に続きますように…)
貴方の腕に抱かれて、夢の様な一時を思い出しながらそう願う
と、翔くんが何か思い出したように「あ、」って言うと僕の体を少し離した
「日付、変わってたんだよね
……智くん、お誕生日おめでとう。それと、生まれてきてくれて、ありがとう!」
「……ありがとぅ////」